
晩年の北斎が愛した町、小布施に息づくおもてなしの歴史
高速を降りると、一面豊かな緑が広がっている。長野県小布施町は、名産品として知られる栗と、葛飾北斎で有名な“長野で一番小さな町”。晩年の葛飾北斎は小布施町の豪農商・高井鴻山(たかいこうざん)との親交をきっかけにして自然豊かな小布施を通算3年にわたって訪れ、様々な作品を残した。 その高井鴻山が祖となったのが、今回訪れた『桝一客殿』と『桝一市村酒造場』『小布施堂』。地方の町・小布施にとって、遠方からの客人(まれびと)は家主や家族、使用人にとってもハレの日であり、情報収集の貴重な機会でもあった。 それを現代に組み直し、小布施に交歓の場を再現したいとはじまった『桝一客殿』には、北斎が訪れた時代から連綿と続く「本来なら我が家にお泊りいただくべきですが…」の精神が息づいている。古民家をリノベーションした外観もまた、そうしたこの地での交歓の歴史を感じさせてくれるものだ。採れたての秋の味覚「栗」を使用 期間限定・究極のモンブラン「朱雀」も要チェック!

photo by 横山マサト text by 杉山仁
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